【特集】MV-22 オスプレイ配備問題 ~ 安全性に対する疑念を払拭できるか

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MV-22 オスプレイ 【特集】MV-22 オスプレイ配備問題
~安全性に対する疑念を払拭できるか

配備・訓練先自治体に広がるオスプレイ安全性への疑念
米海兵隊のティルトローター機 MV-22 オスプレイの普天間基地配備計画を発端に、配備反対運動は沖縄のみならず日本全国に広がりつつある。
沖縄県の仲井真知事は、オスプレイ配備計画の説明に訪れた森本防衛大臣に対し「安全性に疑問があるものは拒否するしかない。配備中止(の可能性)も踏まえて対応していただきたい」と明言。配備を強行し事故が起きた場合は「(県内の米軍の)全基地即時閉鎖という動きに行かざるを得なくなる」という強い表現で、配備を容認する政府の方針を牽制した。普天間配備後には岩国基地(山口県)やキャンプ富士(静岡県)での訓練が計画されていることから、オスプレイ配備に不安を抱く自治体は沖縄の枠を超え、全国の関連自治体に広がりつつある。山口県や静岡県御殿場市が現状での受け入れ拒否を表明しているほか、低空飛行訓練ルートに入る和歌山県が上空通過の拒否を表明している。

オスプレイの事故率は高いのか低いのか
関係自治体首長が相次いで配備反対を表明するオスプレイだが、そんなに事故の多い航空機なのだろうか。
海兵隊仕様のオスプレイ(MV-22)の場合、飛行時間10万時間あたりの重大事故の発生率は 1.93件とされている(2012年7月現在)。これは海兵隊で運用されている航空機全体の平均である 2.45件よりも低い数値であり、この数値を見る限りさほど心配する必要はないように思われる。にもかかわらず、MV-22の安全性を懸念する声が消えないのには理由がありそうだ。
一つには、空軍仕様のオスプレイ(CV-22)の重大事故発生率が 13.47件という極めて深刻な数値となっている点だ。日本に配備が予定されているMV-22とは別の機体であることを強調する意見もあるが、特殊部隊用という任務の違いやアビオニクスなど一部装備の違いこそあれ、基本構造は全く同じ機体といってよく、安全性が疑われる要因となっている。
さらに深刻なのは、重大事故発生率の数値そのものに対する信頼性を疑う意見すら存在することだ。
海兵隊が2008会計年度までに引き渡されたはずの126機のオスプレイのうち、43機分が“行方不明”となっていることが米議会で問題となっている。事故や故障などの報告がされていたのが12機であることから、議会側は2009年には114機が在籍しているとカウントしていた。ところが、2009会計年度の米海兵隊航空計画には、オスプレイの保有数は71機と記されており、43機ものオスプレイが行方不明なのはおかしいという指摘がされているのだ(古是三春「安全性だけで論じてはいけないオスプレイ配備問題」JB PRESS)。
こうなると、もはや米国や日本政府がオスプレイの安全性の論拠としている「飛行時間10万時間あたりの重大事故の発生率= 1.93件」という数値も信用できるものなのか疑わしくなってくる。
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≫ 米国が安全性リスク承知で配備にこだわる理由




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